
すぐにはおいしくなりません。
味付けを間違えているような気がします。
アイスキュロスなんて、名前からしておいしそうなのに。
もっとおいしくなる予定だった今が思いのほかしょっぱくて、
もう手が止まりそうになっている。
出来上がるのが先か、舌がおかしくなるのが先か。
そんなことになるくらいだったら。
一旦寝かせてみちゃうのはどうですか?
みっちり仕込んだらビンに詰めて、
味が馴染んでうまみが増した5年後にでも味わいません?
まだうまくないのなんて大した問題じゃないのです。
2000年も前に同じ人間が書き残した言葉は、
私たちの今をありありと語っている。
こっちだって2000年。それが無理なら1000年。
……まあなんとか100年……?
………せめて50年……?
…………少なくとも……10年………
まずは5年!
残る言葉、書いてやりましょうよ!
ぶっちゃけ5年後だってわからないけど、
でも私たちは、いつかきっと、まみえるはず。
そのいつかを見据えること。
そのいつかのために手を動かすこと。
そのいつかは5年後かも、あるいは2000年後かもしれないけど。
それはとても人間らしい『あがきかた』だと思うのです。
あなたの原点を、いつかの私たちを語る言葉に。
熟成の準備を始めましょう。
さ、こちらのビンをどうぞ。
Residence
ギンガクのビンヅメ[5年熟成]
|開催期間|
2021年9月1日(水)〜9月12日(日)
|開催地|
Google Drive、Twitter、YouTube等のオンライン上
「ギンガクのビンヅメ」は劇作家5名に新作戯曲執筆の機会を提供するプログラムです。
作家を一定の期間と場に拘束して執筆に集中していただくことを俗に「カンヅメにする」と言いますが、本企画ではGoogleドキュメントで執筆していただくことにより執筆過程が常に公開されることから、カンヅメならぬ「ビンヅメ」と名付けました。
今回は「先行きの見えない社会状況に立ち向かうこれからの表現者に機会提供をしたい」という思いから、5年後に劇作家を名乗ることを志す【いつかの劇作家】と、同じく5年後にドラマターグを名乗ることを志す【いつかのドラマターグ】を募集します。
【いつかの劇作家】と【いつかのドラマターグ】にはタッグを組んでいただき、古典戯曲など先行作品の読書会などのインプット期間を経てから、新作戯曲の共創に臨んでいただきます。今回も締切の夜には「前夜実況大会」を、完成直後には「オンライン・リーディング」を実施し、新作の完成を大いに祝福します。それはもう、大変にドラマチックです。
さあ2021年も半年が過ぎます。先延ばしにしたオリンピックもいよいよ終わったあと、あなたは「いつかの未来」に向かって、どんなドラマを紡ぎますか?
ご応募、そして素敵な作品の誕生をお待ちしています。